Google Adsenseの「CCPAに準拠して収益を確保」とは?対策方法と収益への影響
公開日:2020年12月28日
Google Adsenseの管理画面に表示される「CCPAに準拠して収益を確保」というアラートについて解説します。対策方法と収益への影響についてもまとめました。
CCPAとは何か?
CCPAとは、正式には「California Consumer Privacy Act」というアメリカ・カルフォルニア州の法令です。アメリカ・カリフォルニア州で2020年1月から適用開始となったプライバシーに関する法律で、「消費者は企業が収集している個人情報を削除する権利、オプトアウト(情報収集を停止)する権利がある」というものです。
似たようなものにGDPR(General Data Protection Regulation = 一般データ保護規則)というものがあります。こちらはEU圏で適用れるプライバシー保護の法律です。
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どちらも日本のユーザーには適応外の法律ですが、日本のサービスを見たカルフォルニア州のユーザー・EU圏のユーザには適用されるため、海外からのアクセスがあるサイトは対応が必要です。
Google AdsenseでCCPAに準拠する方法
CCPAもGDPRもどちらも「ユーザーが意図せずに行動などの履歴を収集され、利用されるのを防ぐための法律」ですので、ユーザーから許諾を得ることが基本的な対応方法になります。
自前でオプトアウトを用意する
一般的には、Cookieバナーによる情報収取のオプトアウト設定を追加する、もしくはオプトアウタバナーを表示して許諾を得る方法がポピュラーです。海外サイトを見ているとたまにサイトの下の方に出てくる「Cookieによる情報収集を許可しますか?」というバナーです。
この方法の場合は、Google Adsenseだけでなく他のオプトアウトが必要なサービス(アフィリエイト広告のタグや解析サービスのタグ)についても適用可能です。
自動広告を使っている場合、設定で自動挿入できる
Google Adsenseの自動広告を使っていれば「CCPA のプライバシー メッセージ」を自動で挿入することが可能です。
設定方法は、「サイト > サマリー > 編集(ペンマーク) -> その他の設定」から、「CCPA のプライバシー メッセージ」をオンにします。これだけでGoogle Adsense自動広告を使っている場合は、CCPAに対応できます。
この方法で対応できるのは、基本的にはGoogleに関するサービスの広告設定に関する部分だけなので、他のサービスの情報収集には対応できない可能性があるのがデメリットです。
CCPAに準拠することの収益への影響
Google Adsenseでは、アメリカ・カルフォルニア州からのユーザーと判断した際に、ユーザーデータの収集を制限するかしないかを設定することが出来ます。デフォルトの設定は「データ処理を制限しない」となっていますが、先ほどの「ユーザーの許諾を得る」ことをしていないと、CCPA法的には違反となります。
つまり、Google Adsenseのデフォルト設定では制限しないことになっているため、収益への影響は発生しません。しかし、CCPA法に準拠するために、「データ制限をする」という設定をしているため、パーソナライズされていない広告が表示されるため「収益が下がる可能性がある」ため、Google Adsense的には「CCPAに準拠することが収益の確保」になるとしているようです。
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設定 | 収益への影響 | CCPA法への準拠 |
---|---|---|
CCPAメッセージ表示/データ制限なし | 影響なし | ○ |
CCPAメッセージ非表示/データ制限あり | 減少の可能性あり | ○ |
CCPAメッセージ非表示/データ制限なし | 影響なし | x |
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表からもわかるように、基本的には減少する可能性があるのは「データ制限あり」の設定のケースだけで、制限しない場合は、CCPAメッセージ表示をすることが「CCPAに準拠すること」なので、表示さえっていをすれば良いということになります。
Google Adsenseの「CCPAに準拠して収益を確保」について、対策と収益への影響を見てきました。
現状では、カルフォルニア州ユーザーのみへの対応ですが、今後世界中のスタンダードとなる可能性もあるので、この機会に仕組みや対策についてしっかり理解しておきましょう。