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知っておきたいWeb広告とリファラの関係

ADNOWAトピックス編集部のアイコンADNOWAトピックス編集部

公開日:2020年10月9日

知っておきたいWeb広告とリファラの関係についてまとめました。AppleのITPやGoogle Chromeのアップデートによる影響や対策も。

リファラとは?

Web業界でいうリファラとは正式には「HTTPリファラ」と呼ばれるWeb表示プロトコルであるHTTPのヘッダー情報の一つです。Webページに訪問したユーザーが、どのページから移動してきたのかを把握するために利用されています。

ただ、HTTPリファラは、HTTPヘッダの中でも必須パラメータではないため省略が可能であることと、HTML内のハイパーリンクの書き方的にトラックをさせないトレンドがあるため、最近ではリファラが省略されることがあります。

技術トレンドとリファラ

SSL化の影響

HTTPリファラの仕様上、HTTPSサイトからHTTPサイトに遷移した際にはHTTPリファラが送信されません。HTTPSからHTTPSに遷移した場合は正常にリファラが送信されます。

ここは技術的に解決することも可能で、

<meta name="referrer" content="no-referrer-when-downgrade"/>
  または
<meta name="referrer" content="unsafe-url"/>

をHTMLヘッダに記述すればHTTPSサイトからHTTPサイトに遷移した際もリファラが送信されます。転送先サイトがHTTPでリファラを送信する必要がある場合は、この対処方法が使えます。

target属性に対するセキュリティトレンド

もともと、ハイパーリンクを「target="_blank"」で開くのは「新しいウィンドウで開いてほしい」という時の一般的な方法でした。

しかし、最近では「target="_blank"」は遷移先のページから元のページを操作できる可能性があるため、「rel="noopener"」を付与するのが標準化してきています。なお、noopenerはHTTPリファラを妨害しません。

また、社内システムなどから外部リンクを貼る際に、リンク先のサイトにHTTPリファラで非公開サイトの存在を伝えることになるので、外部リンクには「rel="noreferrer"」をつけたほうが安全というトレンドもあります。

この両方を包括的に解決する方法として、

<a href="リンク先" target="_blank" rel="noopener noreferrer">リンクテキスト</a>

とするトレンドが生まれました。

ただ、これらは厳密には全く別の機能を持ったなので、広告リンクなどには厳密にはnoreferrerは入れないほうが良いでしょう。

ちなみに、検索エンジンにリンク評価を付与しないことを宣言する「nofollow」も全く別のものです。nofollowもHTTPリファラを妨害しません。

CMSのアップデートの影響

世界中で利用されているCMS・WordPressでは、2017年4月21日にリリースされたWordPress4.7.4以降の4.7系で「target="_blank"」を指定したハイパーリンクに強制的に「rel="noopener noreferrer"」を付与する仕組みになりました。

このアップデートを知らずにWordPressをアップデートしたらリファラが取れなくなったというトラブルが多発しました。

この機能は最新版でも消えていないため、リファラが必要な場合は注意が必要です。

AppleのITP

AppleがiOS Safariに実装しているセキュリティポリシーである「Intelligent Tracking Prevention(ITP)」は、3rd party cookieに関する機能が注目されていますが、「トラッカー認定されたドメインの場合は、Javascriptで取得できるリファラがドメイン部分まで」という制限もあります。

つまり、広告主のドメインがAppleからトラッカーと認定されると、広告トラッキングコードがJavascriptでリファラを取得している場合は、iOS Safariでは取得がドメインまでになります。

ただし、先ほどの「meta name="referrer"」で対処が可能とされています。

Chromeのアップデート

現在デスクトップ向けブラウザでトップシェアを誇るGoogle Chromeは、バージョン85から「strict-origin-when-cross-origin」と呼ばれる、ドメインを超えた時のリファラの制限が入りました。

こちらも「meta name="referrer"」で対処が可能とされています。

リファラの今後

欧州でのGDPRの施行などもあって、通信における個人の行動記録はかなり制限される方向になっています。

元々は、スパムなどへのセキュリティやCriteoなどのリマーケティング広告への対応として導入されてきた面がありますが、最近ではそうした枠を超えて制限がかかってきているので、今後もリファラに対する制限は強くなっていくでしょう。

一方で、リンク自体にトラッキングパラメータを挿入したりと、対策自体はないわけではないので、いきなりWeb広告に深刻なダメージを与えるまでではないかもしれません。

この辺りは、技術情報を日々仕入れて対応していくことになりそうです。

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